〜講演概要〜
 警察の捜査は刑事訴訟法「事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現する」 に基づき、犯罪があると考えられる時に犯人と証拠を確保することと理解されていることが多い。
 いわゆる業務上過失事件の際には、その考えで動いているわけではない。 過失の責任追及の目的で現場検証を行ってはいない。
警察法では「個人の生命等の保護、公共の安全と秩序の維持のために捜査を行うべし」
 行政としての警察捜査の例を挙げる。
 〇 振り込め詐欺、誘拐、毒入り冷凍餃子、集中豪雨での工場爆発
 〇 渋谷シエスパ爆発事故、長野軽井沢バス事故、工場での火災・爆発事故
 他機関は速やかに原因を公表して対策を採っている。警察も同様にその責務を果たすべき。 消防、事故調査委員会、国民生活センター、NITEなどから原因が公表され、 それが裁判に著しい支障を生じることが無いことはあきらかである。  例えば道路の施設、設備を改良したり、法令で定める安全基準や操作手順の改定が必要になったり、 同業他社に注意喚起し改善を要請したり、一般利用者に被害にあわないように警告を発したり、 過失が発生しても重大事故に至らぬよう措置を求めたりと 捜査の成果を活用しなければならない。
 最近では、内部抗争、DV、ストーカーにも的確に対処すべきで、 秩序の維持、被害者の安全の確保からも対処すべき
「起訴・不起訴の判断のみで対応することはあやまりを生じる」