プロセス安全セミナー(過去開催一覧)

第244回 講演会 化学物質の危険性に対する自律的管理

 ―プロセス安全管理の枠組みの中での推進―                  2024年10月21日
労働安全衛生総合研究所   島田 行恭 先生
 厚生労働省が進めている化学物質の自律的管理の推進は, 従来の法令順守から事業者による自主的な安全衛生管理活動への移行を求めている. 化学物質の有害性に対しては,濃度基準値の設定や保護具の選定など, 体的な取り組み内容が示されているが,化学物質の危険性に対しては, 特に言及されておらず,事業場の判断に任されている. ここでは,プロセス安全管理の枠組みの中で, 化学物質の危険性に対する自律的管理をどのように進めるべきかについて考える.

第243回 見学会

                 2024年8月22―23日
8月22日 日本製鉄(株) 九州製鉄所八幡地区
 最初に工場の概要の説明の後、冷間圧延及びアルミメッキ鋼板の製造工程を見学した。
8月23日 福岡大学工学部化学システム工学科加藤研究室
 実験室の研究テーマは、硝酸エステルの分解、火薬類の安定度、化学薬品の安全などについて討議し、  実験室の見学を行った。

第242回 Natechについて

 横浜国立大学教授 熊崎 美枝子 先生
                 2024年6月26日
 近年の自然災害の激甚化によって、自然災害(Natrual hazard)によって引き起こされる 産業災害(Technological accidents)を指すNATECHに関心が集まっており、 各組織で対策が模索されている。 本講演ではNATECHの事例について紹介し、皆様の議論の一助としたい。

第241回 労働安全分野における新技術安全研究の取り組み

 中央労働災害防止協会 技術顧問  梅崎重夫 先生
                 2024年6月3日
 近年、AIを始めとする新技術が産業安全の分野に急速に普及しつつある。 本講演では、AI、IoT、協働ロボット、i-Construction、データサイエンス、 VR/AR/MRなどの新技術を対象に、新技術の導入による負の側面(事故や災害の発生) と正の側面(安全性の向上)の両面から技術の動向とその評価を行った後に、 新技術を対象としたリスク低減戦略と保護方策及びAIに関連する最近の話題を中心に 現段階で想定できる新技術の安全性に関する試論を提案された。

第240回 近年の産業火薬における重大事故について

 横浜国立大学名誉教授 小川 輝繁 先生
                 令和6年1月22日
 経済産業省 火薬類事故対策事業の主要メンバーであり、 多くの産業火薬の事故調査委員を歴任されている小川先生に、 近年の産業火薬における重大事故について、 その概要、特徴、防止対策等につき解説していただいた。

第239回 静電気放電による可燃性粉体の爆発・火災とその防止対策

 労働安全衛生総合研究所領域長 崔 光石 先生
                 令和5年11月1日
 静電気に起因する災害、特に粉じん爆発防止の一助として、 まず、静電気災害統計、静電気を原因とする粉じん爆発事故事例、 産業現場で発生する静電気帯電・放電、静電気に起因する粉じん爆発の防止 (可燃性粉体の静電気物性 評価・産業現場における静電気危険性評価)について 順を追って紹介された。

第238回 ブラジル鉄鋼業における安全マネジメントについて

日鉄テクノロジー株式会社  木村晃平 先生
                 令和5年8月30日
〜ウジミナス社における経験をもとにその特徴と気づきを紹介〜
 ・ウジミナス社について
 ・ブラジル社会の文化的特徴について
 ・ブラジルの労働法(労働慣行)の特徴
 ・ウジミナスのリスクマネジメント(内部統制)の紹介
 ・安全マネジメント活動の紹介
 ・ウジミナス社の労働安全の実態(過去事例)
 ・日本の鉄鋼業との比較においての気づきと特徴
などについて紹介された。

第237回 安全人間工学の考え方と方法

早稲田大学教授  小松原 明哲 先生
                 令和5年6月30日
いわゆるヒューマンエラーの防止方策には目新しものは特になく、 出尽くしたところがある。 ただし闇雲に対策を講じても効果は乏しく、現場の実情に応じた展開を図る必要がある。 最近、注目を集めるSafety‐T、Safety‐Uのアプローチとの関係も踏まえて、 改めてヒューマンエラー防止の現場実践を紹介された。

第236回 保安力の簡易診断

(特非)保安力向上センター 常務理事 若倉 正英 先生
                 令和5年5月29日
保安力向上センターでは経済産業省の支援もいただき、 保安力評価での実績を活かして、 中小・中堅企業が簡易に自社の保安力の課題を見出し、 改善を進める仕組の策定を進めている。 ここでは現在策定している簡易診断の概要や試行結果について紹介された。

第235回 CN(カーボンニュートラル)を目指す水素社会構築の為の
      水素センサ取組のご紹介

 新コスモス電機株式会社    岩見 知明 先生
                 令和5年2月15日
 日本は温室効果ガスの排出削減目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から 46%の削減を目指すこと、さらに50%の高みに向け挑戦を続けることを定めています。 これは2021年4月22日に行なわれた地球温暖化対策推進本部で決定され、 米国主催気候サミットにおいて表明されています。 再生可能エネルギーから製造されるグリーン水素を中心に水素社会が構築出来るように 各地域、各業界が取り組んでいます。 その社会における安全・安心を確保する為の水素センサの取組について紹介された。

第234回 石油・化学分野業以外の産業における事故事例から考える
      プロセス安全

 総合安全工学研究所理事・東京大学名誉教授    新井 充 先生
                 令和4年12月23日
 プロセス安全の考え方は、石油・化学産業分野においてのみ役立つものと思われがちであるが、 実際に石油・化学産業以外の産業分野における事故であっても、 ハザードとリスクの管理を怠っていたことがその発生要因となったものが散見される。 そのような事故事例を紹介するとともに、そこから得られる教訓等についても、 プロセス安全の立場から解説された。

第233回 サイバーセキュリティの動向について

 コモド株式会社  川口 賢 先生
                 令和4年10月12日
 DX推進やコロナ禍によるテレワーク等、世界的にデジタル化が進む中で サイバー攻撃のリスクは益々高まっています。 政府機関や企業へのサイバー攻撃は年々激しくなり、 報道でも頻繁に取り上げられるようになりましたが、 日本のサイバー関連能力は欧米と比較し10年以上遅れており世界規模では最低ランクです。 今回は攻撃に対応する日本の現状や増えつつある攻撃手法の一部について紹介します。

第232回 高圧ガス事故事例及び対策、高圧ガス保安力向上サービス
  「みんなガスシル」のご紹介

 大陽日酸株式会社 基盤事業支援ユニット 営業企画部 営業企画課長
                河合 良祐 先生
                 令和4年8月17日
 始めに、大陽日酸の主力事業である産業ガス事業を紹介いただいた。 次に、高圧ガスに関わる事故事例及び対策について、特に自社設計にて立ち上げた 「高圧ガス危険体感設備」の活用による社内安全教育についてご紹介された。 最後に、お客様(高圧ガス使用ユーザー)向けの高圧ガス保安力向上サービス 「みんなガスシル」(保安教育動画+危険体感講習)をご紹介された。

第231回 商売のサイエンス

 東京ガスエンジニアリングソリューションズ
  経営企画部技術企画グループ  安部 健 先生
                 令和4年6月22日
 大企業の中にありながら社内ベンチャーとして独自の開発スタイルを確立、 全国の空港に設置されたボトル内液体物検査装置や赤外レーザーを使った 遠隔メタンガス検知器 「レーザーメタン」などオリジナリティの高いニッチ製品を これまでに開発してきた。 講演では、製品の技術的紹介や、最近米国で進む新たなプラントメンテナンスの取り組み Leak Detection and Repair などについて解説、 さらには営業も含めたビジネス全般についての気づきについて議論する。

第230回 経年化機械設備による労働災害防止のための
  安全対策やリスクアセスメント実施に関する考察

 株式会社三菱ケミカルリサーチ  調査コンサルティング部門
  上席研究員   渡辺 純哉 先生
                 令和4年4月27日
 厚生労働省が、2017年度から2020年度において実施した 「老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業」 では、約500 事業場のアンケートデータ解析結果から 経年化設備の労働災害リスクの要因として、「設備の老朽化」と 「保護方策不備」の二つを挙げている。 これらを基に、経年化設備による労働災害防止のための安全対策や リスクアセスメントの実施状況について考察した結果について紹介された。

第229回 保安力向上に向けた住友化学のDXの取組

住友化学株式会社レスポンシブルケア部主幹
 宮田 栄三郎 先生
                 令和4年2月16日
 日本の産業全体の競争上の優位性を確保するため、DX推進の動きが加速しています。 運転員の世代交代や設備高経年化といった構造的な課題に対しても、 デジタル技術の活用によって解決を図ることが検討されています。 製造現場でのデジタル技術の活用例を紹介するとともに、 その効果を最大化するための基盤強化および文化醸成の必要性について紹介された。

第228回 プロセス安全管理におけるリスクアセスメント

システム安全研究所
 高木 伸夫 先生
                 令和3年12月16日
●プロセス安全管理と欧米のリスクベースアプローチ
●リスクアセスメントの分類
  ・包括的な定量リスクアセスメント
  ・ハザード洗い出しのプロセスリスクアセスメント
●リスクの受容性
 <参考>多様な分野でのリスク分類の考え方
などについて解説された。

第227回 プロセス開発を楽しもう ― 安全に配慮したプロセス開発 ―

保安力向上センター会長
 伊藤 東 先生
                 令和3年10月13日
 プロセス開発は、@小試験(ビーカー試験)、Aベンチ試験、Bパイロットプラント試験を踏まえて、 C本プラントの設計・建設へと進む。 各段階にて「安全関与のデータ」は検討・整理する。 完成している「プラントの安全操業」は良く議論されているが、 「プロセスの構成原理」までさかのぼることは少ない。 最近の重大事故の要因として「プロセスの理解不足」が指摘されているので、 「安全に配慮したプロセス開発」の概要を解説された。

第226回 省庁等の保安防災の取り組みと日本化学工業協会の活動

元日本化学工業協会常務理事
 永松 茂樹 先生
                 令和3年8月18日
 日本化学工業協会(日化協)は、世界の化学業界が取り組むレスポンシブル・ケアのもと 会員とともに化学業界全体の保安防災活動を行っており、 そこでは省庁及びプロセス安全に取り組む諸団体と連携している。 省庁や諸団体の取り組み及び日化協の活動について、 化学会社勤務で得た教訓から考える課題を交えて、 安全に取り組む方への一助となればとのことで紹介された。

第225回 自然災害による危険物施設の火災・漏洩事故

消防大学校消防研究センター
 西 晴樹 先生
                 令和3年6月16日
 近年、地震や台風などの強風や洪水などの自然災害に起因して様々な被害が石油タンクなどの危険物施設で発生している。 火災や危険物の大量漏洩などの甚大な被害が発生することがある。 危険物施設は消防法令の技術基準に従って設置されるため、自然災害に対しても一定程度の耐力はあるが、 過去の地震や台風などでも多々被害が発生している。 自然災害に起因する危険物施設の事故事例と事故対策について紹介された。

第224回 自主保安活動の取り組みと自主保安高度化認定取得

日本エイアンドエル株式会社常務・愛媛工場長
 池田 高宏 先生
                 令和3年4月14日
 日本エイアンドエル株式会社愛媛工場は、保安管理活動の促進、強化を図るため、 アラームマネジメント、現場による安定化活動、技術技能伝承、制御システムのセキュリティなど 様々な活動を実施し、個々の従業員の技術力向上、運転安定化、保安確保、安全文化醸成をめざしている。 これらの活動の成果により、2018年に国内で初めての「自主保安高度化事業者」として認定された。 当工場で実施した自主保安活動の取り組みについて紹介された。

第223回 小規模な企業/事業所の視点で考える
 安全の重要性と課題について

旭化成株式会社顧問
  成田 睦夫 先生
                 令和3年2月17日
 国内外を問わず、いわゆる規模の小さい企業あるいは事業所は、 大企業に較べて、「安全」のリソース確保と活用という点では 大変に苦労しています。 特に、「人財」です。 大企業でも、単独立地の関係会社工場や海外子会社工場、 委託会社の工場などでは同様の苦労が多いように見受けられます。 しかも、実態が正しく報告されていないケースもあり、 表に現れる事故災害の数値以上に現場では多くの問題に翻弄されているように感じます。 事業の継続という重い課題も背負う中で、「安全」の問題をどう位置付け、 リソースを用意して取り組むのかは、まさに経営の問題そのものと言えます。 過去、大企業の製造現場を隈なく見聞きし、 今は小さな企業、事業所を見る社外取締役という立場での知見・経験から、 小規模な企業/事業所の視点で考える安全について紹介された。

第222回 三菱ガス化学株式会社の安全管理活動

三菱ガス化学株式会社 環境安全品質保証部長
  高村 光喜 先生
                 令和2年12月16日
 一昨年から事故・労災の発生件数、重篤度等の分析結果を基にしたプロセス安全指標(ICCA方式)を 用いた現状把握と、改善対応への活用を始めており、 これの運用状況を紹介された。 また保安力評価による各事業所の実力把握、 保安力評価を元に設定した社内のガイドラインによる 各事業所の自己評価と弱点への対応、 当ガイドラインのRC監査チェックリストへの活用、 グループ会社評価への検討等について紹介された。

第221回 AGCグループの保安防災力向上活動

AGC株式会社 環境安全品質本部 環境安全部
 木谷 裕一 先生
                 令和2年11月5日
 AGCグループの外部環境の変化により、環境・安全・品質(EHSQ)の業務範囲が拡大している。 これらに対応するため、AGC(株)は、従来の本社組織を改編した新たな 「環境安全品質本部」を2019年7月に設立した。 新たな組織では「環境・安全・品質は事業の前提である」という経営トップの強いリーダーシップの下、 5つのプロジェクト活動をスタートしている。 講演ではこの中の「保安防災力向上プロジェクト」について紹介された。

第220回 リスクに基づくプロセス安全(RBPS)入門

事故分析・コミュニケーション研究所代表
 竹内 亮 先生
                 令和2年8月19日
 1970から80年代、世界では大きなプロセス事故が多発し、 それがきっかけとなって米国のOSHAは1991年にPSMを法制化した。 しかし、これは経営者に向けて出された法律であり、現場の従業員には分かり辛く、 現場での徹底が不十分であることが指摘されていた。 CCPSは2007年に現場の従業員向けにプロセス安全を実施するために何が必要かを説くRBPSを発行した。 本講演では、RBPSの概要を解説しRBPS自己評価チェックリストについて紹介された。

第219回 海外生産比率増加に伴う現地生産の安全確保

日本化学工業協会RC推進部 兼 環境安全部部長
   山本 卓 先生
                 令和2年6月17日
 化学製品の現地生産比率は20%を超えて増加し、 現地での安全・安定生産の確保は非常に重要なポイントです。 日本の文化とは異なる現地において、 日本の技術やプロセスに基づく製造を現地の従業員により安定して継続していかねばなりません。 安全に対する文化や取り組みが幾分異なる中、 現地の実情や典型的な事例等を比較しつつ、その対応について紹介された。

第218回 新型コロナウイルス感染拡大のため中止

                 令和2年4月22日

第217回 ICT/AIなど最新技術動向と石油化学プラントにおける運転・管理

アズビル株式会社 AIソリューション推進部
 井 努 先生
                 令和2年2月12日
 日本でもICT/AI/ロボティクスなどの最新技術に関心が集まるようになり5年以上が経過し、 石油・化学プラントの現場を見渡すとこれらスマート技術の研究開発、導入に向けた実証、実運転用実装など、動きが活発である。 最初にこれら最新技術の動向について述べる。 続いて経済産業省のスマート保安に関する海外事業として目に映った訪問国の現状を紹介する。 そして最後にデータ駆動型異常予兆検知技術について、連続プロセス向けAIエンジンと新たに開発したバッチプロセス向けのAIエンジンについてその概要を紹介する。

第216回 NITEの取り組みについて

独立行政法人製品評価技術基盤機構
国際評価技術本部 電力安全技術支援室長
 田中 栄一 先生
                 令和元年12月11日
 NITEは、2016年より電力安全に関する技術支援機関(TSO)として、 事故情報の整理・分析に関する支援業務を行っている。 本講演では、これまで行った支援業務のうち、 @感電死傷の過年度比較、 A感電死傷事故事例を取りまとめた事例、 B感電死傷事故等の電気保安に 係わる重大事故が発生した際に、 国などに報告をするための報告書を作成するツール(詳報作成支援システム)などを紹介する。

第215回 見学会

                 令和元年11月6日、7日
JXTGエネルギー株式会社堺製油所
 製油所の概要説明の後、バスにて工場を見学した。中央制御室および防災センターについては、 室内で実際に操業されているところの説明と見学を行った。石油精製からパラキシレンなどの 石油化学製品の生産も行う一体型製油所で徹底した熱集約システムにより、 エネルギー効率がトップクラスとのことであった。
花王株式会社和歌山工場
 工場の概要説明の後、エコラボミュージアムを見学した。エコな製品をつくるたために、 原材料の選択、コンパクトな容器、詰め替え用製品などにより、ごみが実際どのくらい減るかを分かり易く 展示して、多くの見学者が来られていた。そのあと工場の製造ラインの見学を行った。

第214回 プラント事故からの教訓

元日本化学工業協会常務理事
 春山 豊 先生
                 令和元年8月14日
1978年に旧三菱油化に入社後、23年間鹿島事業所のエチレンプラントを皮切りに 幾つかの化成品製造プラントに従事し、これらの製造プラントに於いて運転員から管理職まで経験した。 その間にプラント火災事故等を起こし、化学プラントの運転の難しさを経験した。 しかし2007年に社全体の環境安全部の長として業務についた年に鹿島事業所の新鋭エチレンプラントの分解炉にて 4名の方が亡くなるという大変な火災事故を発生させてしまった。 この事故の教訓を決して風化 させてはならないと肝に銘じ様々な機会を通してこの事故と 日化協で学んだ他社事故事例からの教訓を説明された。

第213回 火災と消防設備の変遷そして防火安全性の今後

日本消防設備安全センター
 松田 康博 先生
                 令和元年6月27日
戦後、日本社会が目覚ましく発展する一方で、多くの火災が発生し犠牲を払ってきた。 そのなかで、命・財産を守る重要な設備の一つである消防設備は、度重なる規制強化とともに設置・維持義務が課せられている。 その技術基準は、時代の流れとともに仕様規定から性能規定へと拡大し、新技術開発の促進へと進化した。 これまでの消防設備に係る変遷と現状を紹介するとともに、火災等の災害対策・リスク管理の今後について考える。

第212回 超電導リニアの開発経緯

公益財団法人鉄道総合技術研究所 浮上式鉄道技術研究部
 長嶋 賢 先生
                 平成31年4月10日
東海道新幹線開業の2年前、1962年に国鉄の鉄道技術研究所(現在の鉄道総合技術研究所)は 次世代の高速鉄道の開発を始めました。 そして鉄車輪と鉄レールの間の摩擦力に依存する従来の鉄道の限界を打ち破る技術として、 リニアモータ推進方式と超電導磁気浮上方式が選択されました。 その後の開発によって速度500km/h 以上の高速走行を可能とする「超電導リニア」の技術が確立しました。 講演では開発の経緯、超電導リニアの仕組み等を中心に紹介された。

第211回 コスモ石油の保安管理活動について

コスモ石油株式会社 製造ユニット
 勝村 康彦 先生
                 平成31年2月13日
コスモエネルギーグループの経営理念は「私たちは、地球と人間と社会の調和と共生を図り、 無限に広がる未来に向けての持続的発展をめざします。」であり、 第1章で「安全で事故のない企業グループであり続けます」と定めている。 LPGタンクヤード火災爆発事故以降改善してきた保安管理活動の具体的な施策、 マネジメントシステムの導入およびリスクアセスメントなどについて紹介された。

第210回 石油・ガスプラントの安全設計

日揮株式会社
野本 泰之 先生
                 平成30年12月12日
石油・ガスプラントの安全設計には、多くのHSE Study が行われる。 最近ではリスクベースの設計が行われ、HSE Study 結果に基づいてプラントの設計が進められる。 一般にオフショアプラントに対しては、リスクベースの設計が厳しく要求されてきたが、 現在ではオンショアプラントにも適用されることがある。 沢山あるHSE Study の紹介と代表的なHSE Study について、その目的と概要について説明された。

第209回 見学会

                 平成30年10月16、17日
太陽石油株式会社四国事業所
工場の紹介の後で、石油精製設備を車で見学した。残油流動接触分解装置(RFCC)では、 塔の上に上がってプラント全体を見渡すとともに、流動層の振動が伝わってくるのを感じた。 また、試験分析センターを見学した。見学終了後、防災設備などについて話し合った。

今治造船株式会社西条工場
今治造船グループで国内建造量の30%、世界の建造量の6%という造船の建造実績の紹介の後、造船工場を車で見学した。 世界屈指の規模を誇る 420m×89mのドックでLNG船、コンテナ運搬船、バルク運搬船など 大型の船が作られている。 建造中のコンテナ船をまじかで見させていただいたが、その大きさに圧倒された。

第208回 化学物質管理に関する国際動向と日化協の取り組み

日本化学工業協会
山根 裕一 先生
                 平成30年8月22日
WSSD2020年目標に向けて、グローバルな化学品管理の動きが加速している。 欧州型の法規制が世界的な広がりをみせるなか、欧州ではREACHが本年5月末に 登録期限を迎え、 米国ではTSCAリフォームが進行し、日本では化審法改正が 行われた。 また、近年ではマイクロプラスチック等の新たな課題が注目を集め ている。 講演では、最近の法規制動向を解説されるとともに、 それに対する意見提出や、技術課題検討などの日化協の取り組みについて紹介された。

第207回 AR・ウェアラブル・IoT活用事例紹介

新日鉄住友ソリューションズ株式会社
賀屋 恵二 先生
                 平成30年6月21日
新日鉄住金ソリューションズ株式会社では、スマートデバイス・IoT機器を用いて、 現場作業者のバイタル情報・位置情報・画像情報を収集、蓄積、解析・見える化し、 安全管理の支援・強化につながるソリューションを開発・提供しております。 本講演では、その内容をご紹介し、その他、製造現場で活用可能なIoT技術・事例についても紹介された。

第206回 防爆の現状

労働安全衛生総合研究所 化学安全研究グループ
大塚 輝人 先生
                 平成30年4月12日
様々な分野で国際化が進む昨今、内閣府による未来投資戦略2017にも、 防爆規制の国際標準の取り入れが謳われている。 水素を労働者保護の観点から爆風評価を通じてその危険性を研究してきた来歴に加え、 水素ステーション/CNGスタンドにおける危険場所の業界自主基準策定にも携わり、 現在防爆指針の改定作業に従事している経験を踏まえて、 国内外における防爆の現状と課題について紹介された。

第205回 有機ケミカルハイドライドを利用した水素の大規模貯蔵輸送技術

千代田化工建設株式会社 技術ユニット 兼 水素チェーン事業推進ユニット
   岡田 佳巳 先生
                 平成30年2月22日
   SE191号 2018年 6月1日発行に掲載されています

第204回 三井化学技術研修センターの紹介と技術伝承教育の工夫について

三井化学株式会社 技術研修センター センター長
   木原 敏秀 先生
                 平成29年12月13日
化学プラント生産現場運転員の人材育成を目的に、 2006年に開講した三井化学 技術研修センターの体験体感型研修概要について紹介された。 また、開講以来、10年間の実績を踏まえ、現在、技術研修センターで行っている 研修内容の一部を使いながら技術伝承教育に関するやり方の工夫についても紹介された。

第203回 見学会

                 平成29年11月1、2日
三井化学株式会社大坂工場
工場の紹介の後で、シミュレーター訓練、ガス検知システム、アルキルアルミ消火剤などについて見学と紹介説明があった。 新しい技術としてガス漏えいの可視化、自然発火性で禁水性物質の消火剤の開発など紹介いただいたが、 参加者にとっても身近な問題であり、活発な意見交換をおなうことができた。

国土交通省航空保安大学校
関西空港近くのりんくうタウン駅近くのきれいな建物である。 空港における航空管制や航空電子、航空情報に関する職員を育てる国土交通省の研修施設である。 空港管制塔からの360度のながめで、飛行機が移動、離陸、着陸する様子もシミュレーションで見ながらの管制実習室で、 研修生がグループで、管制業務を真剣に研修されておられた。実習の様子を拝見するだけで業務の責任の重さを感じることができた。 そのほか電子実習室、情報実習室など見学させていただいた。非常に興味深い内容で、各実習室での分かり易い説明と共に、 質疑も多かったが丁寧に応対していただいた。

第202回 ヒューマンエラーの抑止:その理論と実践

産業技術総合研究所
   中田 亨 先生
                 平成29年8月9日(水)
ヒューマンエラーは、ほとんど全ての産業事故に関わっている。 しかし、「事故の原因はヒューマンエラーである」と捉えてしまうと、 単に「間違えた人が悪い」という安易な結論に陥るだけであり、 これでは再発の防止にはつながらない。 実効性のあるヒューマンエラーの防ぎ方について、理論的考察に立ちかえり、 各産業分野での実例、 およびリスクマネジメントのあり方について解説された。

第201回 化学系廃棄物の処理現場の現状と課題

株式会社ハチオウ
   森 雅裕 先生
                 平成29年6月7日(水)
都内工場にて、主に試験・研究の現場から発生する実験廃液や 不要薬品などの産業廃棄物の化学処理や焼却処理を行っている。 「不要となった廃棄物」を扱う事業ならではの課題に取り組んでいる。 安全・適正な処理の事業環境を整えるためのキーワードと事例、および 法規制が強化されている「排出事業者責任」について報告された。

第200回 現場保安チェックポイント集および検索システムについて

産業技術総合研究所安全科学研究部門
 爆発利用・産業保安研究グループ
   牧野 良次 先生
                 平成29年4月12日(水)
産業技術総合研究所安全科学研究部門は、平成27年度および28年度の2年間、経済産業省受託事業にて 「石油精製業保安対策事業(高圧ガスの過去事故分析によるチェックポイントの調査研究)」 を行ってきた。事故データベース等で公表されている過去事故情報が企業現場において必ずしも有効に活用されていない状況を背景として、 経験豊富なシニア技術者に既存の事故情報の読み解きを依頼し、保安について注意すべき項目をわかりやすい 「チェックポイント」として抽出してきた。本講演では上記事業のこれまでの進捗や今後の展開について説明された。

第199回 非定常HAZOPについて

システム安全研究所
  高木 伸夫 先生
                 平成29年2月22日(水)
近年の化学産業の重大事故を受けて、リスクアセスメントの必要性が言われている。 化学プラントの安全を確保するにあたっては、リスクアセスメントにより化学プロセス固有の危険性を洗い出し、 潜在的な危険性が事故として表面化しない方策を講じることが重要である。 化学プロセスの危険性解析に広く活用されている連続プロセスHAZOPと プラントのスタートアップ/シャットダウンや加熱炉の点火操作などに活用できる非定常HAZOP手法につき説明された。

第198回 化学プラントのリスクベースメンテナンス(RBM)

千代田化工建設株式会社
  柴崎 敏和 先生
                 平成28年12月7日(水)
石油化学、化学、石油精製プラントに代表されるプロセスプラントの 合理的な保全を実施する方法として提案され、 20年以上が経過したRBMについて、 その提案された背景、国内状況、手法の概略、適用事例について紹介された。 特に国内において、2015年から総務省、厚労省、経産省が中心となり推進している 「産業保安のスマート化」 でも大きく取り上げられているリスクアセスメントとも関係する手法の一つで、 これから国内での活用が期待される。

第197回 見学会

                 平成28年11月1、2日
新日鐵住金株式会社製鋼所
ハリーポッターのお城があるUSJのすぐ隣の工場で、鉄道の台車などの製造工程を見学した。 車輪、車軸は国内シェア100%で、自動車用クランクシャフトを含めて、大きなプレスで製造する場内の 設備と技術は見ごたえがあった。

新コスモス電機株式会コスモスセンサセンタ―
兵庫県三木市に2015年7月に新しくできた建物で、センサの生産工場にとどまらず技術開発も含めたガスセンサの中核施設と位置づけられている。 製造工程を順に見ながら移動するようになっており、それぞれの箇所に動画や展示品があり、 センサの理解を深めるように工夫されていた。

第196回 安全計装システム

                 平成28年8月24日(水)
安全計装システムとその考え方
    横河ソリューションサービス株式会社
    五十嵐 英樹 先生
安全計装システムの定義と役割を紹介し、その海外を含めた動向について話された。 機能安全規格の背景およびISOなどの国際安全規格、JISの機能安全規格についてと、 リスク低減のための潜在危険およびリスク解析などのリスク分析ツールから安全の達成までの流れを解説された。

プロセス用統合型安全計装システムのご紹介
    横河電機株式会社
    高橋 利明 先生
安全計装システム(ProSafe-RS)の実績とシステムの概要について解説された。

第195回 損害保険会社のリスク調査について

株式会社インターリスク総研
  三和 多賀司 先生
                 平成28年6月22日(木)
損害保険会社では大規模な工場やビルなどの損害保険を引き受ける際に、 火災・爆発、自然災害などのリスクを対象として現場のリスク調査を行っている。 その対象地域は日本だけでなく海外にも及ぶ。 自主保安のさらなる向上や第三者の知見活用が叫ばれる昨今であるが、 損害保険会社が行うリスク調査の目的やその視点、 保険会社の目を通して感じられる事業所の安全に関する事項について海外の事例も交えてお話しされた。

第194回 三井化学における抜本的安全への取り組み

三井化学株式会社
  穂坂 真吾 先生
                 平成28年4月7日(木)
三井化学は、2012年4月に発生したレゾルシンプラントの事故を契機に、 社外有識者も交えて「抜本的安全検討委員会」を設置し、 安全の基礎となる 部分の強化対策を策定した。 3つの重点課題と11項目の方策からなり、それぞれの具体的な対策を議論し、 全社で取り組んできている。 事故の原因を簡単に振り返った上で、当時、当社はどのように状況を理解し、 どのように対策を進めてきたかという部分と、現在の実施状況について紹介された。

第193回 青函トンネル列車火災検知の開発
  〜30年前の技術でできたこと〜

ジェイアール総研情報システム株式会社
  関根 朝次 先生
                 平成28年2月17日(水))
新幹線を青函トンネルに迎えることになった。 青函トンネルでは運用開始の前提条件として長大トンネル故の特別な 安全対策を構築する必要があった。その一つが列車火災の検出である。 北陸トンネルでの列車火災事故を受け、53.85qという長大トンネルを 安全に走行するため、火災検知装置という保安システムの構築が絶対 条件であり、30年前に開発されたこの設備の基本的技術と考え方を 紹介された。

第192回 伝えておきたい私の事故体験

旭化成株式会社
  清水 健康 先生
                 平成27年12月16日(水))
1975年に入社以来40年、その間に新聞に掲載された事故を 3回経験した。 世の中の事故はそのほとんどが過去の繰り返しといわれており、 あとから見ればつまらない原因の事故であるが、 それだけに繰り返す危険がある。 同じ轍を踏まないよう、日々の視点の参考になればと紹介された。

第191回 

見学会
水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)、
福岡大学工学部加藤研究室及び福岡ヤフオクドーム
                 (2015年10月20〜21日)
HyTReCは福岡県が中心となって設立した公益財団法人で、水素関連製品の耐久性試験、共同開発など行っており、 世界のトップレベルの安全性評価試験を行っている。内容としては、材料試験、水素ステーション関連、 燃料電池自動車関連の試験設備で、特殊なものが多く興味深いものであった。 福岡大学の加藤研究室では熱分析などの研究施設を見学した。そしてヤフオクドームでは、防災施設を見学した。

第190回 BPメキシコ湾事故の情報と日本のプラント事故との類似点

日揮株式会社プロセス技術本部HSEシステム部
 野本 泰之 先生
                 (2015年8月26日)
プラントのプロセス安全要求は、最近厳しくなる一方である。その流れを見ると、 1988年の北海油田のパイパーアルファー爆発事故、2010年に大量の原油が漏洩し11名が亡くなった BPメキシコ湾事故が契機となっている。 メキシコ湾の事故について、事故内容、原因等を日本PE協会の事故調査報告書を基に説明された。 この事故は、通常のプロセス事故とは異なるものであるが、その原因・教訓等から、 近年の日本のプラント重大事故との共通点について紹介された。

第189回 

総合安全工学研究所
 中村 順
                 (2015年6月10日)
米国の労働安全衛生庁(OSHA)や化学工学会の化学プロセス安全センター(CCPS)では、 化学工場における火災、爆発、漏えい事故などの防止について、プロセス安全管理としての取組が行われている。 事故調査についてもインシデント、ニアミス、ヒヤリハットについて適切に調査を行うことが規定されている。 さらに化学事故調査委員会(CSB)のような専門の事故調査政府機関や全米防火協会(NFPA)から 事故調査マニュアルが出されるなどもしている。 わが国では、消防、労働、警察、損害保険などが組織的な事故調査を行っており、調査方法の指導、 調査担当者の研修・育成も行っている。こうした事故調査について紹介するとともに、 事故原因究明の方法やその結果を事故の再発防止やプラントの安全対策に役立たせることについて紹介された。  

第188回 人が織り成すANAの安全管理体制

全日本空輸株式会社
 江島 聖志 先生
                 (2015年4月15日)
ANAグループは「安全は経営の基盤であり社会の責務」とする 安全理念を掲げ、 安全を支える仕組みづくりと人づくりを積み重ねてきました。 航空機や空港管理システムが技術革新により進化しても、 日々のオペレーションは人が織り成すものである。 ANAの安全管理体制(Safety Management System)について、 技術革新を背景とした仕組みづくりと、地道な努力の積み重ねである人づくりの観点から紹介された。

第187回 事故情報の活用と事故分析手法PFA

独立行政法人産業技術総合研究所
 安全科学研究部門 爆発利用・産業保安研究グループ
  和田 有司 先生
                 (2015年2月18日)
2014年6月の「石油コンビナート等災害防止3省連絡会議」報告書は,化学産業での重大事故の共通要因の一つとして, 「情報共有・伝達の不足」を指摘し,関係機関に事故情報活用推進の取組での連携強化を求めています。講演では, 「リレーショナル化学災害データベース(RISCAD)」をはじめとする国内で利用できる事故情報データベースの概要と 「事故分析手法PFA」を用いた事故事例の活用方法について紹介された。

第186回 異文化の中での安全マネジメント

エーザイ株式会社
 総務・環境安全部 ディレクター
   遠藤 真一 先生
                 (平成26年12月11日)
   SE181号 平成27(2015)年 12月1日発行に掲載されています

第185回 

見学会
新コスモス電機(株)および三井化学(株)大阪工場
                 (平成26年10月30日〜31日)
 新コスモス電機(株)では、はじめに半導体式ガスセンサー工場を見学した。火災実験では、 実際に模擬の布団を燃やしてCOなどの各種センサによる変化を燃焼と共に見学し、 センサーの種類、取り付け位置などの説明があった。トレーニングセンターを見学し、 ガスの基礎知識や、実機を使用した実務研修などの説明があった。
 三井化学(株)大阪工場では、工場内をバスで見学した。ナフサから取り出されたプロピレンを原料に、 ポリプロピレン、ビスフェノールAなどの樹脂、アンモニア、尿素などの製造設備を見学した。

第184回 

日本ヴォパック(株)
 植松 榮 先生
                 (平成26年9月4日)
 引火性液体の保管、入出庫を主たる業務とするパブリックタンクターミナルである日本ヴォパックにおいて 重大事故のリスク要因として最も制御しなければならないのは静電気、高所作業、閉所作業である。 世界29カ国でタンクターミナルを運営するヴォパックグループの一員として100%遵守が求められている ヴォパック・ファンダメンタルについてと、日本ヴォパックが独自に取り組んでいる安全活動について紹介された。

第183回 プロセス安全のポイント - エンジニアの役割

元三井化学(株)
 臼井 修 先生
                 (平成26年6月12日)
   SE179号 平成27(2015)年 6月1日発行に掲載されています

第182回 化学プロセスのリスク評価と安全の方策

システム安全研究所
 高木 伸夫 先生
                 (平成26年4月17日)
 欧米においては化学産業の重大事故を契機に安全を確保する法的な枠組みを整備するとともにリスク評価にあたっての 各種の論理的手法が開発され、運用されてきた。
 欧米における重大事故とリスクベース安全の動向を概観するとともに、 危険源特定にあたって広く活用されているHAZOP手法とリスク低減にあたってのLOPA手法を説明するとともに 化学プロセスの安全化にあたっての方策について解説された。

第181回 ノンテクニカルスキルの向上を目指した演習を活用した教育

旭硝子株式会社 千葉工場 環境安全部主席
 南川 忠男 先生
                 (平成26年2月20日)
   SE177号 平成26(2014)年 12月1日発行に掲載されています

第180回 化学工場の保安安全への取り組みについて

川ア化成工業株式会社代表取締役社長
 池田 滋 先生
                 (平成25年12月19日)
 化学工場における保安安全確保への社会的な要求が高まっている。 永く化学工場の製造管理やプラント建設に従事し保安安全の確保を考えてきた経験から、 化学工場における保安安全確保に対して適切な防御系と知識とスキルをもった要員が必要であるとの 考えから、重視すべき点と取り組み内容につい解説された。

第179回 

見学会
日本煙火協会検査所および三菱化学且l日市事業所
                 (平成25年10月15〜16日)
 煙火協会の検査所では、がん具煙火の安全性に関する検査を実施し、規格・合格マークを発行する業務を行っており、 各検査工程および施設、分析装置などの設備の見学を行った。
 三菱化学では、ケミストリープラザを見学し、三菱グループの将来へ向けた創造事業としての取り組みを紹介いただいた。 フレキシブルな有機太陽電池、複合材料による自動車ボディ等の展示説明をうかがった。見学後は、 工場の安全への取組の説明と討議を行った。

第178回 人と組織の心理から読み解くリスク&クライシス・コミュニケーション

有限会社エンカツ社
 宇於崎 裕美 先生
                 (平成25年8月22日)
 原発事故や降圧剤を巡る臨床データ操作疑惑などにより、企業や研究機関への世間の風当たりはますます強くなってきた。 インターネットの普及により世の中の情報量はこの十年間で約530倍になったといわれ、 多くの情報は人々に無視されるという事態も起こっていきている。ただ漫然と情報公開するだけでは正しく伝わらない。 事件・事故発生時の風評被害を防ぐためのマスコミおよびネット対策について解説された。

第177回 組織診断インタビューにみられる安全文化の課題

組織安全研究所
 大久保 元 先生
                 (平成25年6月20日)
   SE176号 平成26(2014)年 9月1日発行に掲載されています

第176回 損害保険会社グループにおける自然災害リスクへの取組

株式会社インターリスク総研
 コンサルティング第三部
  災害リスクグループ長 吉田幸弘 先生
                 (平成25年4月18日)
損害保険会社では台風、ひょう、洪水、地震などの自然災害による損害を補償している。大規模な自然災害が発生すると、 多数の物件が同時に被災し、巨額の保険金を支払うことになる。このような自然災害の特徴を踏まえ損害保険会社が 適正に契約を引き受け、保険金を確実に支払いできる財務力を確保するための取り組みと、蓄積したノウハウの活用例などについて 解説された。

第175回
  講演1「保安力評価とその背景」

(独)産業技術総合研究所  若倉 正英 先生

  講演2「最近の事故から考えること」

(公財)総合安全工学研究所  小川 輝繁 先生
                 (平成25年2月7日)
 若倉氏は、プロセス産業の安全力向上の一環として保安力評価の流れについて解説された。具体的に、産業保安行政の在り方、 安全基盤評価、安全文化評価などの構成、評価の実施例、諸外国における安全評価の例などについて紹介された。
 小川氏からは、最近の火災爆発事故に関連して、プラント設計時から本質安全を考えているかや、保安距離の考え方、 危険源の把握と除去などの話題提供があった。

第174回 損保保険会社のリスクサーベイについて

NKSJリスクアセスメント株式会社
        黒瀬 俊明 先生
                 (平成24年12月19日)
 損害保険会社は顧客企業の施設(工場、ビルなど)に対し、@火災保険等の補償範囲、補償額、 保険料率等を決定するために必須となるリスクの特定・分析・評価、および、A事故の発生予防、 事故発生時の被害拡大防止に効果のあるリスク改善対策の提案を目的とした「リスクサーベイ」を実施している。 この「リスクサーベイ」を実施する上での着眼点や、リスク分析・評価手法、改善提案例について紹介された。

第173回 ヒューマンファクターズを
    社会安全に活かす

且ミ会安全研究所 所長
        首藤 由紀 先生
                 (平成24年10月18日)
 これまでにヒューマンファクターズ(安全にかかわる人的要因に関する学問)に関して行われてきた、 災害時の避難所運営マニュアル、災害対策本部の情報伝達と意思決定、巨大システムの事故分析などについて解説をされた。 緊急時の人間行動特性の整理からあわてずに行動するための対策や、 無事故組織調査からの安全文化評価など実例を挙げての話で関心がもたれた。 最後に東日本大震災以降の復興計画策定の支援について福島県楢葉町の場合の体制と経過、 きぼうプロジェクトなどについて紹介された。そこには通常の自然災害からの復興と異なる放射線の問題、 原因者の存在(復興と賠償が切り離せない)などの問題もあることを指摘された。

第172回 見学会

北海道日油および北海道三井
                 (平成24年9月24、25日)
 北海道日油は、1954年に炭坑用爆薬の供給を目的に設立された。現在では、火薬類の他に、凍結防止剤なども製造している。 また、火薬類の廃棄処理も業務としている。火薬類の性能試験としての爆発実験や、火工品を製造する工程を見学して、 危険工室での安全対策等参考になるものであった。
 北海道三井は、1944年に東洋高圧工業として、肥料などの製造を目的として発足した。現在では、合板などに使用する接着剤、 化粧品素材、植物活力剤、飼料用サプリメントなどを生産している。環境分析も事業として行っている。 接着剤の製造工程及び植物機能センターを見学した。センターは、 植物細胞培養技術を用いた化粧品に使用される希少な機能性成分を安定かつ効率よく生産する設備で、 バイオ関係の実験室のようであった。

第171回 我が社の安全管理

コスモ石油 技術部
     竹田 義信 先生
中外製薬株式会社 CSR推進部 環境・安全グループ
     加藤 伸明 先生
                 (平成24年6月21日)
 竹田氏からは、「安全教育」として、これまでの安全活動の反省を踏まえたチェンジ21活動の目標としてゼロ災運動の導入の経緯、 ゼロ災研修の展開について紹介された。
 加藤氏からは、「高活性物質の取扱い」として、化学物質を取り扱う際の危険性の中で、特に生物学的危険性について解説され、 生産部門で化学物質に暴露したときの取扱い者に健康被害が発生するリスク管理の取り組みについて紹介された。

第170回 我が社の安全管理

三菱化学株式会社 環境安全・品質保証部
     部長 加藤 英仁 先生
                 (平成24年5月8日)
 三菱化学水島事業所は、1988年より3年ごとの中期運営計画「MVP(水島ビクトリープラン)」を策定し、 この中にRC活動を織り込んで、積極的な取り組みを行ってきた。2008〜2010年度は「MVP2010」と銘打って、 「安信事業所の実現」を目標に活動してきたが、その中で実施した不安全行動の撲滅・不安全状態の撲滅を目指した、 製造現場の泥臭いRC活動について紹介した。

第169回 消防法令等の改正の契機となった危険物事故

危険物保安技術協会 事故防止調査研修センター
        伊藤 英男 先生
                 (平成24年3月15日)
   SE171号 平成25(2013)年 6月1日発行に掲載されています

第168回 産業事故の背景と規制
    〜より高度な安全を求めて〜

経済産業省 産業保安研究官
        武富 義和 先生
                 (平成24年1月19日)
   SE168号 平成24(2012)年 9月1日発行に掲載されています

第167回 サイバーセキュリティについて

プロックスシステムデザイン株式会社  川口 賢
                 (平成23年11月24日)
   SE169号 平成24(2012)年12月1日発行に掲載されています

第166回 見学会

電気化学工業叶ツ海工場 及び
(有)片貝煙火工業片貝工場
                 (平成23年9月29日〜30日)
 青海工場では、カーバイド化学の先端製品を作り出している。片貝工場は、世界一の4尺玉の花火を製造している。

第165回 危険物施設の震災報告

消防研究センター 火災調査室長 西 晴樹
                 (平成23年7月21日)

 大震災による危険物施設等の被害状況の調査結果についてご報告いただいた。千葉の製油所火災を除くと 被害の大部分は津波によるものであり、危惧された有毒物質の漏えい・放出はほとんどなかった。

第164回 我が社の安全管理

住友化学梶@レスポンシブルケア室 宮田 栄三郎
川崎化成工業梶@RC推進室 柴田 宏志
                 (平成23年5月19日)

 宮田氏は住友化学における人材育成方法の中で、特に安全技術者の教育プログラムについて講演された。同社では、 ベテランの引退に対応するため、プロセス運転訓練を含めた体験学習に力を入れているとのことです。
 柴田氏は川崎化成の労働災害についての事例を取り上げ、過去の事故に学ぶことの大切さと同社のこれまでの取り組み状況について 紹介されました。

第163回 プロセス産業おける安全文化を診断する

慶應義塾大学 環境共生・安全システムデザイン教育研究センター
    研究員  東瀬 朗
                 (平成23年3月10日)

 安全工学会は、経済産業省からの委託により「安全文化を考慮した保安力の向上」に関する検討を実施し、安全文化、 保安基盤(プロセスの技術基盤)に関する自己評価項目の策定を行った。また、慶応大学高野研一教授の研究室では、 現場オペレータ等の意識に基づく安全文化評価を実施している。安全文化評価に関して、安全工学会(マネージャーの判定)と 慶応大学(オペレータの判断)の結果を比較したところ、相関性の高い項目、反相関が顕著な項目が見いだされた。

第162回 消防庁指針に基づく防災アセスメント

(財)消防科学総合センター 調査研究第1課 研究員
      平野 亜希子
                 (平成23年1月13日)

 表記の演題を石油コンビナートの災害想定に基づく、防災アセスメントについて豊富な情報に基づいてわかりやすく 解説いただいた。地震国の日本にとってきわめて重要な課題であり、聴講された石油や石油化学、エンジニアリングの専門家との間で 真摯な議論も行われた。

第161回 「見学会」
 訪問先  
  (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
             倉敷国家石油備蓄基地建設現場
  三菱ガス化学梶@水島工場

(平成22年11月22-25日)

  石油備蓄基地ではLPGの貯蔵能力が約40万トンの水封式岩盤タンクに関する説明を受けたのち、約80%の建設が進んでいる 巨大な地下備蓄空間を見学した。三菱ガス化学鞄aでは潜在的なヒヤリハット事例を収集し、その重要度に応じて事故予防の対策を 講じている等の安全管理活動の説明を受けたのちに工場内の見学を行い、活発な意見交換を行った。


第160回 「センサー開発の現状
         A 火災センサの発展と動向」

能美防災(株) 技術開発本部 研究開発センター
                            伊藤 尚 先生
(平成22年9月2日)

自動火災報知設備に使用される火災センサは、建物や交通機関、通信技術など人間の生活様式の発達に伴って進化してきた。 我が国で初めて熱式の火災センサが設置されてから約85年前になる。その後、霞が関ビル建設時に煙式、 日本坂トンネル火災事故後に高速道路トンネルに炎式が設置されるようになった。また、最近はこれらの技術を発展させ、 希薄な煙濃度で火災予兆を検知することも可能になった。本講演では、これらのセンシング原理、使用例について、 法制化の契機となる火災や出来事と関連させ、歴史を振り返りながら分かりやすく説明された。

第159回 「センサー開発の現状
         @ ガスセンサーの発展とその周辺」

新コスモス電機(株) 技術開発本部 センサー開発センター
                           北口 久雄 先生
(平成22年7月13日)

代表的なセンサーの検知原理、開発の歴史、最近の技術動向などについての説明とともに、化学センサーの代表例として 「半導体式センサー」、物理センサーの代表例として「赤外線式センサー」が取り上げられ、 将来的に市場規模が伸びることと予想されており、技術革新も目覚ましいものがあるとのことである。小型化、省電力化、 省メンテナンス化、低価格化が進めば。これまでの高価で大きく手間の掛かるガス濃度計から安価でコンパクトな 使いやすいガス濃度計に替わっていくことが期待されている。

第158回 「大学における環境安全」

東京大学 環境安全研究センター長 教授 新井 充 先生
(平成22年5月15日)

東京大学環境安全研究センターの業務である@実験系廃棄物の回収処理、A排水監視、B環境安全教育についての紹介。 研究系教職員や大学院生、学部学生を対象に実施される教育においては、廃棄物取り扱い技術を習得し、 安全管理の重要性を十分理解できた受講者に「環境安全講習修了証」が発行される。センター業務を通して大学がかかえる 環境問題の大きさについて改めて理解を深めることができ、各企業の課題についても積極的な意見交換の機会を得た。

第157回 「労働基準監督署における労働災害防止・労災補償
        の取り組みについて」

中央労働災害防止協会 上席専門役   竹田 良二 先生
(平成22年3月15日)

わが国では、労働災害防止に安衛法が大きな役割を果たしている。労働基準監督署には監督官が配置されているが慢性的人員不足で、 近年は長時間労働など労基法対策に追われている。リスクアセスメントの時代と言われているが、事業場への普及は十分ではない。 指を失うなど身体に障害が残る災害は今も数多く発生しており、そのほとんどは在来型災害である。過去の事例に学ぶことは依然として大きな課題である。

第156回 「化学物質のリスク評価―考え方と最近の動向」

(社)日本化学工業協会非常勤嘱託
(独)産業技術総合研究所客員研究員   花井 荘輔 先生
(平成22年1月21日)

1992年のリオ環境サミットにおける「アジェンダ21」から始まる化学物質の総合安全管理の大きな動向が紹介された。 特に、化学物質のリスク評価の考え方、化学物質のリスク、ハザード管理からリスク管理への流れ、 リスクの定性的評価と定量的評価の方法などについて解説がなされたほか、化学物質管理に関して国内における化審法の改正、 EUでのREACH規制、US EPAのTSCAの見直しなど国内外の動向が紹介され、 化学物質の安全管理にあたっての概要が分かりやすく解説された講演であった。

第155回 「ユニバーサル造船蒲L明事業所
         &三井化学椛蝟エ田工場 見学会」

(平成21年11月11日〜12日)

ユニバーサル造船では、同事業所の安全衛生マネジメントにつき説明を受けた後、30万トン級のタンカーやエンジンの製造工程を 見学するとともに安全研修センターにて高所、回転体、電気、玉掛け作業などの危険体験ができる設備の見学を行った。 三井化学では、安全活動を中心に説明を受けた後、工場見学を行った。同工場では、労災事故が減少しているが、安全成績をさらに 向上させるため、KY指導員の育成などに基づく活動の推進、化学物質による薬症等の事故低減を重点課題としている ということであった。なお、工場内には、わが国の石炭化学の先駆けとなったことを示す、さまざまな歴史的建造物や設備などが 保存されており、製造技術における創造と革新の重要性を深く感じさせられた。

第154回 「現場で分かりやすい静電気講座」

安全工学会事務局長            松倉 邦夫 先生
(平成21年9月15日)

静電気の基礎・静電気安全対策のポイント・静電気事故の原因・現場における静電気安全対策・静電気実験等、幅広いメニューが紹介された。特に、「浮遊導体(アースをされていない導体)」の静電気安全対策では、基礎知識と事故事例を交えて講演され、質疑応答においても、実際に企業が悩んでいる案件を引いて積極的な意見交換がなされた。
静電気実験では、静電気による着火・爆発現象を体験した。
新素材・新物質・新製造方法・新技術等の導入に伴い、静電気に基づく災害・事故が発生し、その形態が変化しつつある中、 工場・事業所における静電気に起因する災害・事故防止につながる講演であった。

第153回 「プロセス安全の技術経営課題」

元富士石油叶齧ア取締役
東京農工大MOT大学院非常勤講師  斉藤 日出雄 先生
(平成21年7月28日)

第152回 「欧州における安全管理の取り組み」

横浜国立大学大学院 環境情報研究院 準教授
                          熊崎 美枝子 先生
(平成21年6月4日)

第151回 「パッシブセーフティとアクティブセーフティ」

(有)システム安全研究所 高木 伸夫 先生
(平成21年3月19日)

第150回 「粉塵爆発の事故事例と対策」

危険物保安技術協会 危険物等事故防止技術センター長 松本洋先生
(平成21年1月22日)

第149回 「三菱化学株式会社 坂出事業所 見学会」

(平成20年11月19日〜20日)

第148回 「爆発威力等防御対策」

(独)産業技術総合研究所 工学博士 緒方雄二先生
(平成20年9月19日)

第147回 「これからの安全管理について」

(平成20年7月28日)

第146回 「爆ごう限界について」

産業安全技術協会 松井英憲先生
(平成20年5月26日)

第145回 「見学会」

エーザイ株式会社 川島工園 
川辺バイオマス発電株式会社
(平成20年2月12日〜13日)

第144回
  講演1「MARSとPEC−SAFER」

神奈川県産業技術センター 若倉 正英 先生

  講演2「ガス爆発の反応機構と爆発限界の予測」

東京大学工学系研究科化学システム工学専攻 越 光男 先生
(平成19年12月17日)

第143回 「安全教育について II 〜安全教育の現状と課題」

(平成19年10月5日)

第142回 「イギリスでの大規模タンク火災について」

消防庁 消防研究センター 危険性物質研究室長 古積 博 先生
(平成19年7月26日)

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